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協賛パートナー紹介

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2023.9.29

協賛パートナー「三和澱粉工業株式会社」 SDGsの取り組み

トウモロコシをまるごと使う製造システムとは

ー製造方法について詳しく教えてください。

三和澱粉工業では、トウモロコシを原料にコーンスターチや加工澱粉、糖化製品などを開発・製造しています。
コーンスターチの製造の過程で3割ほど、胚芽や種皮といった副産物が出てきます。「胚芽」は食用油の原料に、「種皮」は家畜などの飼料に、「タンパク質」はアミノ酸調味料などの原料や飼料に、「コーンスティープリカー」は飼料や発酵培地に再利用。これらの副産物には価値のある成分・機能が眠っていますので、活用に向けて研究・開発を進めているところです。さらに、産業廃棄物の「糖液を含む珪藻土」は肥料やセメントの原燃料としてご活用いただき、産業廃棄物は100%リサイクルしております。そして、2002年には小型ガスコージェネレーションシステム(以下、CGS)を導入。2006年には大型CGSを追加導入して、エネルギーの有効利用に努めています。

三和澱粉工業株式会社 代表取締役社長 伊藤 歩

排熱・排水をリサイクルしてCO2総排出量を約25%削減

ーCGSとはどのようなシステムですか。

澱粉を製造する際には、多量の蒸気と電気を使用します。通常、タービン(回転式の原動機)を回して出る蒸気は、排熱として廃棄するしかありません。しかし、CGSは発電時に発生する排熱を工場の熱源として利用できるため、エネルギー消費量とCO2排出量を大幅に削減できます。発電した電気量の半分は工場で使い、余剰電力は電力会社に販売。なお、工場排水はメタン発酵させてバイオガスを抽出し、ボイラーのエネルギーとして活用しています。
大型CGS導入前の2002年~2005年と、導入後の2019~2022年度を比較すると、約17%のCO2総排出量削減に成功。「製品の加工度が増すと生産エネルギーも上昇する」という点を加味し、同条件で比較すると、実質約25%削減できたことがわかりました。

CGS(ガスコージェネレーションシステム)

ー地域貢献・環境保全の取り組みについてお聞かせください。

当社の工場は奈良県橿原市に立地しており、民家と共存しています。そのため創業当時より、脱臭、騒音対策、排水対策などの努力を続けてきました。加えて、公的機関への出前授業、工場見学の受け入れ、地元小学校やスポーツ団体への寄附なども実施。研究開発においても、SDGs(持続可能な開発目標)を勘案した開発が活発に行われています。例えば、食品の賞味期限を延ばす(美味しさを持続する)機能性糖質や、健康に寄与する難消化性澱粉、食の多様化に対応したハラル認証の取得などが挙げられるでしょう。地球規模の視点に立ってSDGsの活動に取り組んでいます。

出前授業の様子

澱粉の可能性を追求して、奈良から世界へと展開

ー将来のビジョンをお聞かせください

当社の経営理念は、「全社員の物心両面の幸福を追求する」と「素材の提供を通じてお客様の抱える課題解決に貢献する」です。環境やニーズが大きく変化する今、トップダウンで解決できる課題は少ないでしょう。大切なのは、社員が行動できる環境づくり。当社では個々の自主性を重んじ、何でも提案できる環境を確保するため、誕生日会やクラブ活動といったコミュニケーションを推進する活動を活発に行ってきました。近年は、ビジネス用チャットアプリ導入などDXを推進。他部署の決議を誰もが閲覧できるなど、風通しの良い職場環境づくりを進めています。
一方、業務においては、継続して人々の食生活を彩り、支える素材を安定供給することが当社の使命。国内のシェア拡大はもちろん、タイ王国の合弁会社を起点とした海外展開も視野に入れ、お客様のニーズに合った素材の開発を続けていきたいと考えています。

三和澱粉工業株式会社

三和澱粉工業は、海外から輸入したトウモロコシを原料に、コーンスターチや異性化糖、水飴をはじめ、多様な機能・特性をもつ食品素材や工業素材を開発・製造しています。1947年創業当時は小さな工場でしたが、研究・開発に力を入れてオリゴトースや湿熱処理澱粉など世界初の技術を数多く生み出し、成長してきました。現在も時代のニーズに合った製品の開発を目指し、未だ完全に解明されていない澱粉の性質・機能に挑戦しています。

HP : https://www.sanwa-starch.co.jp/